夜中に突然のみぞおちの激痛と吐き気…生の魚を食べた後に疑う「胃アニサキス症」とは
サバ、イカ、イワシ、サーモンなどの美味しいお刺身(生の魚介類)を食べた数時間後、「耐えられないほどのみぞおちの激痛」や「激しい吐き気・嘔吐」に襲われる病気があります。それが「胃アニサキス症」です。 アニサキスという寄生虫が胃の粘膜に侵入することで起きるアレルギー反応で、その痛みは非常に強烈です。

アニサキス症の潜伏期間と発症時間
アニサキス症は、原因となる生の魚介類を食べてから症状が出るまでの時間が比較的短いのが特徴です。
発症のタイミング(潜伏期間)
多くの場合、お刺身を食べてから「2時間〜8時間後」(早ければ数時間後、多くは夜中や翌朝)に、突然みぞおちがキリキリと激しく痛みだします。
アニサキスによる激痛の波
痛みは持続的なものだけでなく、アニサキスが胃壁を刺激するタイミングに合わせて「痛みが強くなったり、少し和らいだり」という周期的な波があるのが特徴です。
胃アニサキス症の主な症状と特徴
みぞおちの激痛
胃の上部からみぞおちのあたりが締め付けられるように痛みます
強い吐き気・嘔吐
痛みのあまり吐き気が止まらなくなり、何度も吐いてしまうことがあります
原則として「下痢」は少ない
胃にアニサキスがいる場合は、腹痛と吐き気がメインで、水下痢になることは比較的まれです。下痢を伴う場合はアニサキスが腸に達した「腸アニサキス症」や、別の細菌性食中毒の可能性があります

自宅でできる応急処置はある?
非常に残念ながら、アニサキス症には「これを飲めば自宅ですぐに治る」という特効薬や市販薬はありません。 正露丸を飲むと痛みが和らぐという知恵袋などの書き込みを見かけることもありますが、これは一時的な神経の麻痺効果に過ぎず、根本治療にはなりません。無理に吐こうとしたり、胃酸を抑えようと牛乳を大量に飲んだりすると、かえって胃が拡張して痛みが悪化することがあるため安静にしてください。
当院での治療方法:眠っている間の胃カメラでその場で摘出
胃アニサキス症の唯一にして確実な治療方法は、胃カメラ(内視鏡)を使ってアニサキスを直接つまんで摘出することです。粘膜から抜き取った瞬間、それまでの激痛が嘘のように綺麗に消失します。
「胃カメラが怖い」「おえっとなるのがつらい」という方でもご安心ください。田園調布ステーションクリニックでは、適切な鎮静剤(麻酔)を使用し、ウトウトと眠っている間に終わる苦痛のない内視鏡検査を行っています。
FAQ よくある質問
いいえ、アニサキス症の多くは食べた当日〜翌日(数時間後)に発症します。数日間も痛みが続いている場合は、アニサキスではなく胃潰瘍や急性胃腸炎、あるいは胆石など別の病気の可能性が高いため、早急な精密検査が必要です。
適切に冷凍(-20℃で24時間以上)処理されていない生の魚介類であれば、スーパーで購入したものであってもリスクはあります。調理の際に目視でよく確認するか、よく噛んで食べることも一定の予防になります。
この記事の監修医師

田園調布ステーションクリニック
院長 鈴木 直人
- 昭和大学医学部 卒業
- 日本消化器外科学会 専門医・指導医

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