おならと思ったら水下痢が…?冬に流行するウイルス性胃腸炎(胃腸風邪)の初期症状
冬が近づくと毎年必ず耳にするようになる「胃腸風邪の流行」というニュース。 「ただの風邪だと思っていたら、突然お腹がギュルギュル鳴り出して、おならと思ったら水下痢が出てしまった…」「激しい吐き気でトイレから離れられない」というつらい経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。その正体は、ノロウイルスやロタウイルスなどの「ウイルス性胃腸炎(感染性胃腸炎)」です。

ウイルス性胃腸炎(ノロウイルスなど)の初期症状と特徴
ウイルス性胃腸炎は、非常に強い感染力を持ち、冬場(11月〜2月頃)に爆発的な大流行を見せます。その典型的な初期症状は以下の通りです。
突然の激しい吐き気・嘔吐
ウイルスによって腸の粘膜が急激に破壊されるため、腸管内が水分でタプタプに満たされます。そのため、ご自身では「ただのおなら(ガス)が溜まっているだけかな?」と思って力を入れた瞬間、堰を切ったようにサラサラとした「水のような下痢(水様便)」や、泥のよう液体便が勢いよく飛び出してしまう現象が起こります。
「おならと思ったら水下痢」という独特の下痢症状
腸の動きが異常に早くなるため、大腸の中で食べたものの水分をゆっくり吸収する時間がなくなります。水分を含んだままの便が、一気に「水っぽい下痢」や軟便として押し出されてしまいます。
高熱と激しい寒気(悪寒)
ウイルスと身体の免疫細胞が戦うため、大人でも38度〜39度前後の高熱が出たり、関節痛や全身のひどい寒気を伴うことが珍しくありません。
ウイルス性胃腸炎になったときの「自宅での脱水・二次感染対策」
ウイルス性胃腸炎には、インフルエンザのような抗ウイルス薬(特効薬)はありません。基本的には、ご自身の免疫力でウイルスを体外へ出し切ることが治療の基本(対症療法)となります。
下痢止め薬で絶対に無理に止めない
水下痢が止まらないのはつらいですが、市販の下痢止めを自己判断で飲んでしまうと、大腸の動きが止まり、ウイルスや毒素が腸の中に長くとどまることになります。その結果、高熱がさらに長引いたり、胃痛や腹痛がぶり返す原因になるため、整腸剤と水分補給に徹して「出し切る」のが正しい治し方です。
水分補給は「15分おきにペットボトルのキャップ1杯」
嘔吐がひどい急性期は、一気に水を飲むと胃が拡張して反射的にまた吐いてしまいます。経口補水液や白湯を、15〜30分おきにペットボトルのキャップ1杯分(数ミリリットル)ずつ、小刻みに喉を潤すように補給することが深刻な脱水症状を防ぐ鉄則です。ココアや牛乳、冷たい緑茶は腸を荒らすため絶対に避けてください。
病院を受診すべき「危険なサイン」
多くの場合は3〜5日程度で自然軽快しますが、大人であっても以下のような症状がある場合は、重篤な脱水症や合併症の恐れがあるため、すぐに消化器内科を受診してください。
- 丸一日以上、水分が全く摂れずに冷や汗が出る、めまい・立ちくらみがする
- 尿の量が明らかに少ない、または半日以上全く尿が出ない
- 下痢の中に血が混じる(血便)
当院では、つらい嘔吐や水下痢で衰弱してしまった患者さんに対し、速やかに院内で点滴治療(水分と電解質の補給)を行い、脱水症状を劇的に改善します。また、他の胃疾患(胃潰瘍など)との見極めを行い、適切な処方で早期回復をサポートします。
田園調布での水下痢・血便相談・大腸内視鏡検査は当院へ
「感染性胃腸炎のあともお腹の調子がスッキリしない」「水下痢だけでなく血便が出ることがあって不安」という方は、田園調布ステーションクリニックにご相談ください。 当院では、大腸全体の粘膜を直接、高精度に観察できる「大腸カメラ(大腸内視鏡)検査」を田園調布駅前にて実施しています。「お腹の検査は恥ずかしい、痛そうで怖い”という方のために、プライバシーに配慮し、鎮静剤(静脈麻酔)を使用して眠っているような状態で受けられる苦痛の少ない検査体制を整えています。経験豊富な消化器外科専門医にお気軽にご相談ください。
FAQ よくある質問
いいえ、ここが一番の盲点です。激しい吐き気や水下痢が綺麗に治まった後であっても、「便の中には1週間〜2週間以上もの間、ウイルスが排出され続けています。」そのため、症状が消えたからと油断せず、トイレの後の念入りな手洗いや、トイレのフタを閉めて流すなどの家族感染防止対策をしばらく継続してください。
レバミピドなどの胃粘膜保護薬は、荒れた胃の粘膜を修復する手助けにはなりますが、胃腸炎の原因であるウイルスの増殖を抑えたり、激しい水下痢や吐き気を直接止めたりする効果はありません。現在のつらい主訴に合わせた適切な処方を受けるために、自己判断での残薬の服用は避け、医師の診断を受けてください。
この記事の監修医師

田園調布ステーションクリニック
院長 鈴木 直人
- 昭和医科大学医学部 卒業
- 日本消化器外科学会 専門医・指導医

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